オンラインショップは集客やブランディングばかりが注目されがちですが、経営もしっかり行っていかなければいけません。

ですがオンラインショップの経営方法について、小規模店舗が参考にできそうな情報はネット上にほとんどありません。

今回は、自社ブランドを中心に展開している小規模のオンラインショップが、押さえておくべき数字を経営の側面からお伝えしたいと思います。

開店前に知っておく超基本的な数字3つ

原価率

商品を作って販売するには、販売価格を決めるところからスタートします。オリジナルで作ったワンピースを販売するとします。

原価(生地、副資材、縫製、OP袋など)合計が1枚あたり5,000円だった場合の販売価格決めていきましょう。

まず洋服の場合、原価率は25〜35%の間に設定するブランドが多いです。原価率の設定はブランドによって異なるので、あくまで目安としてください。

原価率30%で商品を販売したい場合、次のような計算式になります。

5,000÷0.3=16,666(円)

16,666円では中途半端なので、17,000円としましょう。

17,000円にした場合、5,000円の原価率を出すには、以下の計算式になります。

5,000÷17,000×100=29.4(%)

オンライン以外にも、何かを販売する時は、原価(円)・原価率(%)が基本になります。

粗利益

商品を販売して得た金額から、原価を差し引いた数字です。先ほどほ17,000円のワンピースの場合、

17,000ー5,000=12,000(円)

12,000円が粗利益になります。粗利(あらり)と呼ばれています。

粗利を確保できているかどうかでビジネスが決まります。商品原価は変わらないので、セールや割引クーポンを配るほど、粗利は少なくなります。

営業利益

1ヶ月の営業利益を出す場合

売上高(売上の1ヶ月合計)ー原価(1ヶ月合計)=粗利益(1ヶ月合計)が出ます。

粗利益(1ヶ月合計)からその他の経費を引くと、営業利益が得られます。

営業利益が、本当の利益といえます。

どんなにたくさん売っても、それ以上に経費がかかっていたら商売を続けることはできません。

開店1ヶ月目から把握するべき数字3つ

毎月の営業利益

先ほどの営業利益が再登場。

つまり、売上と原価と利益は1ヶ月目からしっかり把握しておきましょう、ということです。おそらく、最初は赤字だと思います。

オンラインショップは黒字化するまで、早くても1年はかかります。

「どうせ利益出てないし〜」と実際の数字を把握せずに過ごしてはいけません。赤字続きから抜け出せないオーナーは、ほぼ100%がどんぶり勘定です。

現状をどう変えていったら黒字化できるのか?あと何枚多く売ったら黒字になるのか?を知りましょう。

在庫金額

月末に在庫金額を確認をしましょう。売上規模や生産背景によって適正在庫金額は変わってきますが、在庫金額の平均を理解しておけば、変化に気が付きやすくなります。

在庫は資産です。在庫をいい加減に扱うお店は、お金をいい加減に扱っているのと同じです。

適正在庫の計算方法はたくさんありますが、開店したばかりのお店は難しい計算はしなくてOK。それより、この3つを気をつけましょう。

・売れ筋の在庫を切らさない
・平均の原価率と粗利率を把握する
・オーナー自身が、在庫金額を把握する

1出荷あたりのコスト

1出荷あたりのコストとは、1個の荷物をお客様の元へ届けるために、経費がいくらかかっているのか、平均を算出したものです。

自社から出すのか、物流倉庫から出すのかで変わってきますが、オンラインショップを開店したばかりの場合は、倉庫を借りずに自社から出していると思います。

自社から出す場合の計算は簡単です。

運送料(宅配運賃の1ヶ月合計)+梱包資材(段ボールなど)÷1ヶ月に出荷した数の合計

送料は大きによって異なるので、商材によってかなり開きがあります。それにメール便が多いお店は安くなります。

オンラインショップショップは、経費全体に対し送料が占める割合が多くなります。出荷コストが増えているのか、減っているのか、オーナー自身が把握するようにしましょう。

経費の割合を把握する

経費の中で特に大きな割合を占めているものは何か?を把握するようにしてください。

おそらく変動費では、仕入れ、送料、広告宣伝費が多くなるでしょう。

(サイト制作を外注している場合は外注費用が入ってくるかもしてません。)

その他は、家賃や人件費などです。

細かな数字を全て覚える必要はありませんが、毎月チェックすればするほど感覚として身についてくるので、早く正しい経営判断ができるようになります。

オンラインショップを開店したはいいけど、どんぶり勘定どころか、計算もしていない!というお店も多いなか、しっかり利益を確保して成長するお店は、数字管理の努力を怠りません。

同じ売上、粗利でも、赤字のお店もあれば黒字のお店もあります。

お店の現状をオーナーさんが把握していないと、地に足をつけて戦略を練ることができません。