オンラインショップでは、たくさんの野菜や果物、お米が「農家直送」の謳い文句で販売されています。実際に購入したことのある方も多いのではないでしょうか。

2024年現在では、農家さんの高齢化や海外農産物の輸入により、日本産の農産物の流通量は減少しています。ですが、ネット販売市場では農産物の売上が伸び続けています。

この記事では、農家さんのネット販売の販路の種類やメリット・デメリット、注意点や必要な準備について解説していきます。

農家は、どの販路がいいの?

農家の販路は、大きく4つに分けられます。

JA(農協)、卸売市場、直販(一般商品者への直販)、外食店舗と直接契約の4つです。販路にはそれぞれ特徴があるので、自社の状況をみてどの販路にするのか検討するのが良いでしょう。最近では、複数の販路を持つ農家さんも増えています。

販路の違いは「自社がどこまで担当するか」によって変わります。

JAや卸売市場への販売は、販売先の開拓などを全て代行してくれますが、手数料を支払ったり、指定された金額で卸すため、利益は少なくなりがちです。

直販(一般商品者への直販)や外食店舗との直接契約は、卸価格や販売価格を決定するのは農家のため利益は出しやすいですが、業務量が増えます。

農家がネット販売(直販)をするメリット・デメリット

ネット販売のメリット

  • 規格外の果物や野菜、余剰生産のお米を販売できる
  • 卸に比べて利益率が高い
  • 販売価格の決定権がある
  • お客様と直接つながれる
  • ファンになってもらいやすい
  • 少ない資金で始められる

価格のは決定権が自社にあるので、卸売に比べて格段に利益を出しやすくなります。

また、商品を購入をしてくれるお客様とコミュニケーションがとれるため、「なぜ自社の野菜を購入してくれたのか?」声を聞けたり、感想や喜びの声を直接聞けるのも直販ならではのポイントです。

お客様が満足してくれる農産物を届けることができれば、ファンとなり、リピート購入につながります。

ネット販売のデメリット

  • サイト作成、写真撮影、出荷などの作業が増える
  • 集客をする必要がある

直販をするとういことは、集客から販売まですべてを行う必要があるため、当然ですが仕事量が増えます。

また、直販用の在庫の確保も必要です。販路が増えるということは、その分在庫も必要になります。まずは規格外や余剰分をメインに販売してみるのも良いかもしれません。

農産物のネット販売に必要な許可や注意点

自分で育てたお米や野菜をそのままの状態で販売するなら、許可や資格、届出は不要です。

しかし、農産物を加工して販売をする場合は、申請が必要になることもあります。

お米を炊いて販売する、ジャムや漬物などに加工してからの販売は、商品衛生法に基づく営業許可や製造業の営業許可の申請が必要になります。加工を検討する際は、かならず管轄の保健所に問い合わせをして確認しましょう。

ネットショップを開く前に準備すること

ネットショップを開店する前の事前準備では、この3つが必要です。

1.価格を決める

価格を自分で決めることができるのがネット販売の良いところです。農家さんが愛情込めて作ったこだわりの農産物、こだわりに見合う価格で販売していきましょう。

とはいえ、急に価格を決めて良いと言われても悩んでしまいますよね。迷った場合は、次を参考にしてください。

  • 直売所、道の駅の価格より少しだけ高くする
  • 競合のネットショップの価格と同じくらいにする

2.運送会社を決める

運送会社は、途中で変更するのは案外大変です。そのため、複数の運送会社から送料の見積もりをとってみましょう。

大手3社(佐川急便・ヤマト運輸・日本郵便)は営業所もたくさんあるのでオススメです。送料、集荷の最終時間、土日集荷の有無は必ず確認しましょう。

3.ネット販売の法律をチェックする

ネットで商品を販売するには、「特定商取引法に基づく表示」というページを必ず作成しなければいけません。

どんな方がオンラインショップを運営しているのかなどを表記するページです。テンプレートもたくさん公開されているので、簡単に作成することができます。

卸売だけで在庫もお金もギリギリの場合

卸売だけで在庫や資金がギリギリの場合、まずは卸の利益が上げられないかトライしながら、ネット販売の準備をするのが良いでしょう。
その場合、大きく分けて2つの行動が必要です

卸の利益を少しでもいいから、上げられないか検討する

  • JAや卸先に、卸価格の交渉をしてみる
  • JAや卸先に、高くしてもらうためにはどんなことが必要か相談してみる

利益の一部で、ネット販売を開始する

卸売りで得た利益の一部を、ネットショップの準備資金にしましょう。

その場合、年間でどれだけ在庫をネット販売に回せそうか、シミュレーションも行いましょう。 

さいごに

農家さんがネット販売する方法の解説をしてきました。

ネット販売は利益が増えるメリットもありますが、お客様に直接喜んでもらえるという最大のメリットがあります。直接感想をもらえるのは直販だけ。

しかし、日々の農作業を行いながら、ネット販売のノウハウを学ぶ余裕がない方も多いはず。

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